SF1 仮題 最後の審判

最後の審判

 20xx年、その日シンギュラリティは起こった。2025年、ある評論家は著書で「テレビは絶滅する」と予測していた。然しこの年になっても一定数旧態依然とした視聴者は私を含めいた。MHKの速報「速報、シンギュラリティ」という番組を私H.Sはコーヒーを飲み乍ら見ていた。内容テレビでMITのロボット研究所で総力を挙げて開発されていた産業ロボットを作る大手メーカー「大和」がAIが別のAIを作る、いわゆる自己増殖ヒューマノイドの研究課程においてAU同士の人口交尾に成功し、「Nature」において定義されていたシンギュラリティが起こった事を発表した、というものだった。

僕はこの企業を創業した日本人だが、以前からよきしていた超音波による記憶消去手術をも実現可能と悟り、早速着手した。

[中略]ぼ億は胸に手を当てて自分が殺したい程憎んでいたA,B,Cそれぞれの記憶についてやはり記憶を残すか迷った。その気になれば自分の専門家業である超音波などの技術で彼らを瞬殺するレベルの兵器を作れる。核兵器の様な原始的な物と違い証拠隠滅も不可能な完全犯罪ができる代物だ。然し彼は記憶を残さずにただ、ただ記憶の一部を消去した。